Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さんごくし

三国志(八)

吉川 英治

Lisez 三国志(八) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N1. Touchez un mot pour le sens.

N1 · avancé · kanji et kana modernes · 195 604 caractères · 391 écrans

Aozora Bunko

こういう情勢にありながらなお、少しもそれを覚らずにいたのは新城の孟達であった。

金城の太守申儀や、上庸の申耽などに、大事を打ち明けて、

「不日、孔明に合流せん」と、密盟をむすんでいたその事に安心して、実は申儀も申耽も、腹を合わせて、魏軍が城下へ来たら突如としてそれに内応し、孟達に一泡ふかせてくれん――としているものとは夢にも気づかずにいたのである。

「司馬懿は、洛陽へ出ずに、長安へ向うようです」

新城の諜者は、各地で耳へ入れてきた情報を、いちいち孟達へ報じていた。

「初めは、洛陽へ上ると触れていましたが、途中、徐晃の勢に出あい、魏帝がいま都にいないのを知って、次の日からは、道をかえて、長安へ進んでおるようです」

そういう詳報も入った。

孟達は聞くごとによろこんで、

「万端、こちらの思うつぼだ。いでや日を期して、洛陽へ攻め入らん」

と、上庸の申耽と、金城の申儀へその旨を早馬でいい送り、何月何日、軍議をさだめ即日大事の一挙に赴かん――と、つぶさに諜し合わせにやった。

ところが、一と朝。

まだその日の来ないうちにである。暁闇をやぶって、城下の一方から旺なる金鼓のひびきが寝ざめを驚かせた。