Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
Lisez 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 337 181 caractères · 676 écrans
『だまんなさい』
と九郎兵衛は怒号へ向って、怒号をもって答えた。彼は自分の説が、義のない言だとは決して思っていなかった。城代としての重任も、武士の立場も、年少な軽輩などから教えられる迄もなく、腹に蓄えてあるつもりなのだ。
ただ彼には、もう若い感激は素枯れている。それと、情熱だけでものに当ることは、昔から嫌いな性でもある。一応は何事も――たとえば「武士道」とひと口にいう自分たちの鉄則に対しても十分に、智恵の光りと理論をとおしてみた上でなければ、頷けもしないし、行動にも現わせないのであった。
その点で、平常の彼は弁才といい、社交といい、遙かに内蔵助よりは上手の人物と見られていたし、自身でも、ずっと年下の内蔵助よりも自分のほうが劣る人材とは、この期に於ても、決して思ってはいないのである。
で無論、彼は怒った。
『籠城がなんで、忠節になるか。本多家や、松平家や、その他の寄手に、当藩と何の遺恨があるのじゃ。憎めもせぬ人間と戦えるほどおぬし等は野蛮なのか。しかもこの上、領民を苦しませ、御本家を始め、親藩に累を及ぼし、逆徒の汚名を求めて、それが、亡君への忠義になるとは、九郎兵衛にはどうもわからん。