Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんぺんちゅうしんぐら

新編忠臣蔵

吉川 英治

Lisez 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 337 181 caractères · 676 écrans

Aozora Bunko

『吉良どの、お鎮まりなされい』

『相手方の内匠頭どのは、すでに、梶川与三兵衛が、組みとめましたぞ』

『吉良どの! 上野どの!』

追い縋って、支えているのは、高家衆の品川豊前守や、大友近江守たちであった。

だが上野介は、その人々の顔さえ見境いを失ったらしく、振りもぎっては、

『お医師をっ。――お医師をっ』

とばかり、喚いているのである。

それを、人囲いに取り巻いて、宥めていると、側を通った播州竜野の城主脇坂淡路守が、

『ほう、今の悲鳴は、吉良どのか。甲冑の血まみれは武士の誉とこそ思ったが、素袍の血まみれは珍らしい。――いや古今の椿事』

と、覗いて行った。

鼎の沸くような混乱の渦から、思いがけない笑い声がどっと流れたりした。人々の中にある日頃からの、上野介への感情をそれは証明していた。

御目付役の詰めている溜の間にいた多門伝八郎は、

『お坊主、お坊主っ』

と、その席を立って、

『騒がしいが、何事じゃ』

通りかかった茶坊主の一人をつかまえて早口に訊ねていた。

『ただ今、浅野内匠頭様が、高家筆頭の吉良どのを、刃傷なされました』

『えっ』

同役の久留十左衛門、近藤平八郎、大久保権右衛門等も、伝八郎の後から、眼いろを変えて駈けて行った。