Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
Lisez 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 337 181 caractères · 676 écrans
『赤穂の奴ばらに、いちどは眼にもの見せておく必要がある』
『あまり立ち騒ぐな、大藩上杉の面目にさわる』
『でも、火急だ』
『吾々は先へ行って、御隠居や御子息の安否を見届けようか』
『いや、御当家から、選りすぐった附人が十一名もまいっておる。まさか、おめおめと皆討たれはしまい。――それに、殿の御身辺を護ってゆく者が手薄になろうぞ』
すでにこれは、戦の折の出陣と変らない騒ぎだった。藩邸のすべての者が、皆支度にかかり出した。
そこへ、吉良家の家臣の丸山清右衛門が、雪の中を転んで、急変を告げて来た。
ちょうど、弾正大弼が、大玄関まで踏み出して来たところである。
『清右衛門、お父上は』
と、すぐ訊ねた。
『御生害なされました』
清右衛門は、そう云った。
浪士たちの為に、主人の首級を掻き取られたとは云えなかったのである。
『やっ、御生害を――』
太守の悲壮な声は、同時に、上杉家の人々にも、愕然とひびいて、
(しまった!)
と、脣を噛ませ、又、
(よしっ、この上は)
と、赤穂浪人へ対しての強い敵愾心に、油をそそいだ。
それでなくても、赤穂方の浪人と、上杉藩の侍たちの感情は、火と油のような危険を孕んで、ここ一年余りを越して来たのである。