Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ろうごくのはなよめ
牢獄の花嫁
吉川 英治
Lisez 牢獄の花嫁 (ろうごくのはなよめ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 162 213 caractères · 325 écrans
宿役人が来る――見物の旅の者が追い払われる――。やがて、駅馬問屋にも、名物の石餅屋にも、灯火がついた。
「あら、ちょっと、美い姿だこと」
「お武家さま――」
「編笠のご浪人さん」
「泊っていらっしゃいな」
この東海道――わけて戸塚の宿には、飯盛女がたくさんいた。灯がともると、街道の安旅籠の軒ばに、白い蝙蝠みたいな白粉の女たちが出て、旅の者を悩ました。
「これ、離せ」
おぼろ笠をかぶった浪人だった。どこか窶れた線の細い影だった。しかし、たえず鋭い眼光りと、気配りとをもっていた。その若い浪人が宿の白蝙蝠たちに捕まって、当惑していた。
「放さんか、放せ」
「でも、どうせお泊りでございましょう」
「いや拙者は、この戸塚の宿に知り人の家がある。それを尋ねているのだ」
「うまいことを」
「通せ」
「いいえ」
争い合っていると、町の万屋から、何か買物をして出て来た五十近い田舎者の女が、
「あれ、若様ではございませぬか」
「おう、乳母やか」
「まあ、どうして! ……」
と、老婆は駈け寄って、淫らな白蝙蝠たちを睨みつけて、
「おまえらは、何をさらすんじゃ。このお方はわしが若いころに、乳母に上がっていたお屋敷の若様で塙郁次郎様と仰っしゃるお人じゃ。