Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ろうごくのはなよめ

牢獄の花嫁

吉川 英治

Lisez 牢獄の花嫁 (ろうごくのはなよめ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 162 213 caractères · 325 écrans

Aozora Bunko

「あの人間の指は、誰の指だな?」

「…………」

答える代りに、玉枝は、噤んだ唇でうすく笑った。

「おいッ」

「なんですか」

「誰の指だと訊いているんだ。言え」

「もう見当がついてるじゃありませんか」

「よし。それではべつな事を訊くが、あの亀山公の国家老大村父子と其方とは、いったい、どういう縁故があるのか」

「…………」

「また、あの奇怪な家老は、なんの為に、莫大な金を費って、其方たちを手先に、女の指を蒐めているのか」

「…………」

「これッ、なぜ言わんか」

「…………」

「言わぬな。よしッ」

八弥が、捕縄の端を鞭のように振り上げた時である。――玉枝の小ばしッこい眸が、何ものかへ向ってキラリと動いた。

その眼ざしに釣りこまれて、八弥は、ひょいと後ろを見たが、途端に、

「あっッ!」

と、五体を捻ッて、仰向けに反った。

しいんと、氷の棒で打たれたような痛烈な感じが、眉間から背骨の髄を走りぬけた。と思うと、八弥は、ただ草の根を掴むばかりで、自分で自分の体をどうすることも出来なくなっていた。

人焼竈

「わははは。一撃ちだ」

倒れた八弥の上へ、樫の六角棒を抛り捨てて、ひとりの逞しい侍が、こう大声で笑った。