Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ろうごくのはなよめ

牢獄の花嫁

吉川 英治

Lisez 牢獄の花嫁 (ろうごくのはなよめ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 162 213 caractères · 325 écrans

Aozora Bunko

そこへ、今し方、ぶらりとはいって来たのは、大村郷左衛門と主水の父子で、

「作兵衛。――作兵衛はおるか」

と、小屋を覗いて、声をかけた。

「おう、これやご家老の息子様だの。また、鳥撃ちかね」

と、竈場の前から真っ黒な顔をして、のそのそと立って来た作兵衛は、

「あっ、これやぶったまげた、ご家老様まで一緒にござったね。こんな山小屋へ、何しに来たんだね」

「作兵衛、お前に少し頼みたいことがあって、それでわざわざ父上までご一緒にお越しなされたのだ。これは少ないが、手土産の代りだ、取っておけ」

「ほ。……おらに、この金をくれるのかね」

「見たことがあるか、それは、小判というものだ」

作兵衛は、膠もない顔をして、

「こんな物は要らねえだよ」

「なぜ」

「おらには、もっと欲しいものがあるだがなあ……」

「何なりと望んでみるがいい」

「去年の夏ごろだ、おらの伜の唖野郎が、大津まで買物に行ったきり山へ帰って来ねえでがす。何しろ、あの伜めは、唖で聾で、ぼんやり者。もしや、河にでも墜ったのじゃねえか、人に斬られたのじゃあるまいかと、そればかりが苦に病まれて、この頃は、仕事にも張合いが出ない。