Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ろうごくのはなよめ
牢獄の花嫁
吉川 英治
Lisez 牢獄の花嫁 (ろうごくのはなよめ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 162 213 caractères · 325 écrans
「いや、自信のつよ過ぎるのは、老先生でしょう」
「いまだに、郁次郎を犯人と見ているなど、奇抜じゃ」
「不肖ですが、羅門塔十郎は、まだこうと睨んだ事件を、一度も、外したことはありません」
「まあ、やってくれ」
「やります! どこまでも、上方流で。――老先生の江戸流のお手なみも、よそながら、拝見いたしています」
「は、は、は。あぶない」
と、老先生は彼の語気を軽く避けて――
「また、議論になるのは、お互に、よそう。何事も実行だ。今日は、検死の立会いだけをすればよいんじゃ。……どれ」
と、老先生は、独りで、犯行の手口、時刻、地理、そのほかを、ずっと、胸にたたみこんで、一足先に、現場から退いた。
そして、相川橋の袂まで来ると――
「老先生」と、追いかけて来るものがある。
「や。加山か。お前も来ておったのか」
「弥次馬のなかに隠れていましたが、奉行所の旧友たちが多勢来ておるので、つい、顔を出さずに、見ておりました」
「よい所で会った。おまえは、これからすぐに、本石町の為替屋、佐渡屋和平の店へ飛んで行ってくれんか」
「承知しました。そして?」
「そして、こう……」
と、老先生は、彼の耳に口をよせて、何事かを、低声で、さずけた。