Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ろうごくのはなよめ

牢獄の花嫁

吉川 英治

Lisez 牢獄の花嫁 (ろうごくのはなよめ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 162 213 caractères · 325 écrans

Aozora Bunko

あの怪美人の玉枝と、瓜二つの花世である。

またしても耀蔵は、妙な疑惑に囚われて、茫然としてしまったが、舟辰や、他の若者たちの話を聞くと、花世は、昨日も今日も、一歩も寺から出たことはない。ああやって、方丈の窓の下で、机に倚ったままだというのである。

すると、玉枝は?

耀蔵は狼狽した。

「女狐め! また一杯食わせたか」

いいながら、山門の方へ、駈け戻ろうとした。

すると――江漢老人の声だった。

「加山。もう駄目じゃよ」

「あっ、老先生、いつの間に」

「玉枝は、山門の側の、楠の木蔭に隠れていて、お前がまっしぐらに境内に駈けこむと、風のように、自分のほんとの塒へ、飛んで帰ってしまったんじゃ」

「や、や。そんな次第でございましたか」

「だが、慌てるには及ばん。どうしたかと、只今、佐渡平の店へ寄ってみたところ、云々と聞いて、まずよしと、その足でこの寺におる花世の安否を見舞に来たのじゃ。花世も、今宵かぎり、ほかへ移すことになっておるのでな」

「残念です。どうも、不覚をいたしました」

「なに、よいわ」

と、老先生は、決して部下の罪を深く咎めたことがない。

「それよりは、例の小箱は」