Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ろうごくのはなよめ

牢獄の花嫁

吉川 英治

Lisez 牢獄の花嫁 (ろうごくのはなよめ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 162 213 caractères · 325 écrans

Aozora Bunko

で、帰りがけに奉行所の方へ寄って、すべての打合せを済まして参りました」

「してみると鶉坂の老先生は、飽くまで唖を、大愚者と見ておられるのだな」

「何しろ世話の焼ける奴です」

「ともかく、その手順どおりに踏んでみよう」

夜は更けているが、一日経てば一日だけ捜査は至難になるばかりだ。呆っ気に取られている唖を、再び牢から出して盲目駕の中に括りつけ、奉行所に納めて、最初の晩のように、増上寺の境内まで連れて来た。

ちょうど、この辺が彼を縛め捕った場所だという所で、駕から出して、行け! という手振りを示して押っ放すと、

「? ……」

唖はしばらく、四方を眺め廻して考えていたが、やがて黙々と、御霊廟のうしろの方へ向って歩き出した。

「おや、あそこは通り道ではないのに」

「鎧櫃を背負ってきた晩も、あの御霊廟の裏から出てきたのですから」

「ははあ……では今度こそ、その晩、出て来た所へ戻るつもりだろう。では、両人、ひと足先へ」

と、東儀与力は、物蔭に頃あいを計っている加山と波越へ眼くばせをして急がせ、また、ふところからは一通の書面をとり出して、

「先刻、密使をつかわしてあるから、委細はお聞き及びの通りであるが――と申し添えて、これをお奉行の手へ届け、羅門塔十郎に交渉をつけること、よろしくご配慮を仰ぐと申して、来い」