Classiques japonais avec furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lisez 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 335 908 caractères · 669 écrans
互いに宿を定めてからも双方やはり睨み合った。翌朝先に駕籠が出ると、その後から侠徒が従いて行き、またその跡を武士が追う。こうして先へと進んで行った。岡田を通り新田を過ぎ松本の宿へ来た時には陽はもう西に傾いていた。村井を越えて郷原へ出て、そこでまたもや一泊した。二組はやはり睨み合う。
明ければ二組は前後して宿を出て立って先へ進む。諏訪を通れば木曽街道で、塩尻、洗馬、もと山と、路はだんだん険しくなる。にえ川、奈良井へ来た頃には、またもやその日が暮れかかった。こうして藪原へ着いた時、背後から武者之助が声をかけた。
「おいとま申すぞ右門殿……如来衛門殿にもさようならじゃ。道々隙があったらば取って押さえんと存じたが、侠客衆のきびしい警護に乗ずべき隙の見えないまま、ここまでうかうか来申したが、これでおいとま仕る。無事に福島へ参られい」
「態あ見やがれ山賊め!」如来衛門は鼻の先で嘲るように笑ったが、声張り揚げて答えをした。
「武者之助どんとやら、じゃこれでお別れしようとおっしゃるので……なあにご遠慮にゃ及ばねえ。どこまでもついておいでなせえ、つい福島は目の先じゃ。福島まで従いておいでなせえ」