Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

Lisez 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 335 908 caractères · 669 écrans

Aozora Bunko

「傷のお方」と呼ばれる武士で、不思議にも今日は一人である。

座敷に通ると主人を呼んだ。出て来た主人の顔を見ると、「傷のお方」はすぐ云い出した。

「主人、喜べ、わが君が鳰鳥を落籍なさるのじゃ。その相談に拙者が来た。拙者は木曽家の家中の者、洞院左膳と申す者じゃ、千でも二千でも金高を云え。金には糸目つけぬからな」

「…………」長者は、キョトンと眼を丸くして、相手の顔を見守ったが、にわかにフッと吹き出した。

「何を左膳様おおせられます。その事についてはもう先刻、花村様がおいでくだされ、莫大もないお金をいただきました」

「なに!」と左膳は仰天した。「何、花村が参ったと?」

「はいはいさようにございます。それから鳰鳥を輿に乗せて、たった今お出かけでございます」

「ふうむ」と左膳は考え込んだ。腑に落ちないと云うように、

「しまった!」と、突然、唸るように、洞院左膳は絶叫した。驚く長者には眼もくれず、彼はあたかも狂人のように、館から外へ飛び出した。そして、それから山路に消えた花村と鳰鳥との後を慕って、電光のように追っかけて行く。

「今日はほんとに変な日じゃ」長者は左膳の走って行くその大仰な様子を見て、審しそうに云うのであった。