Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

Lisez 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 335 908 caractères · 669 écrans

Aozora Bunko

そうかと思うと「双玉の原」から、真南にあたる高い峰、「麒麟山」の頂きには、神人であると自称する「麗人族」が無数に住み、大建築を起こしていた。そうしてあらゆる淫蕩と、そうしてあらゆる悦楽とに夜昼となく溺れていた。

こういう者どもに囲まれている「双玉の原」の双生児の姉妹は、安穏でいられない筈であったが、不思議にもこれまでは平和であった。と云うのはこの地点が、緩衝地帯に当たっているからで、お互いに努めてその地帯へ触れないようにしているからであった。また一方その姉妹が、巫女であるということが、尊敬を招来してもいた。

ある日、鳰鳥は湖畔へ出て、あたりの景色を眺めていた。

と、「麒麟山」の方角から雷のような音が響いて来た。

ドドドドド――ン、ズズズズズ――ン……

まことに豪壮な音であった。

「なんだろう、いったいあの音は?」彼女はじっと聞きすましたが、それから急いで社務所へ帰ると、水藻を捉えて訊いて見た。

麗人族の人達が、周囲十里の大建築を、十年越しかかってやっている、その物音だということであった。つまり巨岩や大木を、あるいは転ばしあるいは引き上げる、その物音だというのである。