Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 156 866 caractères · 318 écrans
平次は石川良右衛門と一緒に中へ通ると、八五郎、三輪の万七、お神楽の清吉を手伝わせて、徹底的に家の中を探させました、天井から床下から、押入も、戸棚も、土竈の中も、羽目板の後ろも、絶対に見落さないはずですが、夜中までかかって、小刀一挺、いや、針一本見付からなかったのです。
それから、畳を割き柱を叩き、戸障子の桟から、敷居まで剥ぎ廻りました。
「駄目だ、親分」
まず八五郎が悲鳴をあげます。一と晩の労働にヘトヘトになって、朝の光の射し込む頃は、みんなの顔は絶望と疲労に土色になっていたのです。
「旦那、あの晩短刀を差し込んだ竹竿はどこにありました」
平次は突飛なことを訊きます。
「軒下に立てかけてあったよ」
良右衛門は無関心に応えました。
「物干竿には短いし、心張棒には長いし、やはりあれかな」
平次は外へ飛出すと、問題の竹竿を持って来ました。
「八、鉈を持って来てくれ」
「ヘエ――」
朝の光の中縁側でサッと割ると、
「アッ、刀」
竹竿の中から出たのは、拵えを取り払った、彦四郎貞宗の一刀に紛れもありません。
平次はそれを偽貞宗の代りに元の鞘に納め、呆然として我を忘れた石川良右衛門に返しました。