Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 146 725 caractères · 298 écrans
「どうでしょう銭形の親分、これでも疑う私が悪いでしょうか。打明けると家の恥だが、隣に住んでいる総領の又五郎、やくざな野郎には相違ありませんが、近頃は幾らか固くもなったようだし、自分から進んで親の側へ来るくらいだから、少しは人心もついたのでしょう。私も取る年なり、いずれ勘当を許して、せめて隠居料に取り除けておいた分だけでも孫の留吉にやりたいと話したのがツイ四五日前の事だ。その舌の乾かぬうちに、私の命を狙った者があるんだから変でしょう――こんな事を言うと、倅の又次郎が厭な顔をするが、私の身にとってみると、そうでも考えるより外には、道がないじゃありませんか、ね、銭形の――」
又左衛門の心持は、ますます明らかでした。又次郎は席にもいたたまらず、滑るように敷居の外に出ると、誰やらそこで立聴きをしていたものか、又次郎のたしなめる声の下から、クッと忍び泣く声が洩れます。
「一応御尤もですが、私にはまだ腑に落ちないことがあります。ちょっと、お宅の間取りから、風呂場の様子、雇人の顔も見せて下さいませんか」
「サア、どうぞ――。これ、親分を御案内申しな。自由に見て頂くんだぞ」