Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 106 caractères · 292 écrans
台の上に掛けたのは、凄まじくも物々しい蜀江の錦――もっとも、これは大贋物です。舞台の裏には厳重な二重箱が、蓋を開けたままになっておりますが、金の茶釜は夜分だけこの中に納められるのです。
「泥棒はこの箱をコジ開けて取って行きました」
そう言いながら、卑屈そうな顔を出したのは、金主佐五兵衛の手代、この小屋を一切取り仕切っている米吉という五十男です。
「番頭さん、銭形の親分だよ」
ガラッ八は後ろから黙々として来る平次を目で迎えました。
「これは、お見それ申しました、御苦労様でございます。私は増屋の奉公人で、米吉と申します、ヘエ――」
これだけ言ううちには米吉は六遍もお辞儀をしました。こんなのは、さぞ金を借りた者には、冷酷無慙なことをするだろう、――といったような事を平次は考えていました。
小屋の裏の方、金の茶釜の箱を見張るような部屋には、番人助七、お大の夫婦者が、枕を並べてウンウン唸っております。
「夜はこの小屋に茶釜を置いてあったんだね」
平次はそれが不思議でたまらなかったのです。千両もするという金の茶釜を、こんな筵張りの小屋の中に置いていいものでしょうか。