Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

Leggi みみずのたはこと (みみずのたわこと) di 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 265.437 caratteri · 530 schermate

Aozora Bunko

釧路の方へは全くの生路である。

昨日石狩岳に雪を見た。汽車の内も中々寒い。上川原野を南方へ下って行く。水田が黄ばんで居る。田や畑の其処此処に焼け残りの黒い木の株が立って居るのを見ると、開け行く北海道にまだ死に切れぬアイヌの悲哀が身にしみる様だ。下富良野で青い十勝岳を仰ぐ。汽車はいよ/\夕張と背合わせの山路に入って、空知川の上流を水に添うて溯る。砂白く、水は玉よりも緑である。此辺は秋已に深く、万樹霜を閲し、狐色になった樹々の間に、イタヤ楓は火の如く、北海道の銀杏なる桂は黄の焔を上げて居る。旭川から五時間余走って、汽車は狩勝駅に来た。石狩十勝の境である。余は窓から首を出して左の立札を見た。

狩勝停車場

海抜一千七百五十六呎、一二

狩勝トンネル

延長参千九呎六吋

釧路百十九哩八分

旭川七十二哩三分

札幌百五十八哩六分

函館三百三十七哩五分

室蘭二百二十哩

三千呎の隧道を、汽車は石狩から入って十勝へ出た。此れからは千何百呎の下りである。最初蝦夷松椴松の翠に秀であるいは白く立枯るゝ峰を過ぎて、障るものなき辺へ来ると、軸物の大俯瞰図のする/\と解けて落ちる様に、眼は今汽車の下りつゝある霜枯の萱山から、青々とした裾野につゞく十勝の大平野を何処までもずうと走って、地と空と融け合う辺にとまった。