Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Leggi 明暗 (めいあん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 322.590 caratteri · 645 schermate

Aozora Bunko

七

「困るな」

「どうなすったの」

「なに大した事じゃない」

見栄の強い津田は手紙の中に書いてある事を、結婚してまだ間もない細君に話したくなかった。けれどもそれはまた細君に話さなければならない事でもあった。

七

「今月はいつも通り送金ができないからそっちでどうか都合しておけというんだ。年寄はこれだから困るね。そんならそうともっと早く云ってくれればいいのに、突然金の要る間際になって、こんな事を云って来て……」

「いったいどういう訳なんでしょう」

津田はいったん巻き収めた手紙をまた封筒から出して膝の上で繰り拡げた。

「貸家が二軒先月末に空いちまったんだそうだ。それから塞がってる分からも家賃が入って来ないんだそうだ。そこへ持って来て、庭の手入だの垣根の繕いだので、だいぶ臨時費が嵩んだから今月は送れないって云うんだ」

彼は開いた手紙を、そのまま火鉢の向う側にいるお延の手に渡した。御延はまた何も云わずにそれを受取ったぎり、別に読もうともしなかった。この冷かな細君の態度を津田は最初から恐れていたのであった。

「なにそんな家賃なんぞ当にしないだって、送ってさえくれようと思えばどうにでも都合はつくのさ。