Classici giapponesi con furigana
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めいあん
明暗
Leggi 明暗 (めいあん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 322.590 caratteri · 645 schermate
四十一
「大変陰気な室ね、あすこは」
南東の開いた二階は幸に明るかった。障子を開けて縁側へ出た彼女は、つい鼻の先にある西洋洗濯屋の物干を見ながら、津田を顧みた。
「下と違ってここは陽気ね。そうしてちょっといいお部屋ね。畳は汚れているけれども」
もと請負師か何かの妾宅に手を入れて出来上ったその医院の二階には、どことなく粋な昔の面影が残っていた。
「古いけれども宅の二階よりましかも知れないね」
日に照らされてきらきらする白い洗濯物の色を、秋らしい気分で眺めていた津田は、こう云って、時代のために多少燻ぶった天井だの床柱だのを見廻した。
四十一
そこへ先刻の看護婦が急須へ茶を淹れて持って来た。
「今仕度をしておりますから、少しの間どうぞ」
二人は仕方なしに行儀よく差向いに坐ったなり茶を飲んだ。
「何だか気がそわそわして落ちつかないのね」
「まるでお客さまに行ったようだろう」
「ええ」
お延は帯の間から女持の時計を出して見た。津田は時間の事よりもこれから受ける手術の方が気になった。
「いったい何分ぐらいで済むのかなあ。眼で見ないでもあの刃物の音だけ聞いていると、好い加減変な心持になるからな」