Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Leggi 明暗 (めいあん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 322.590 caratteri · 645 schermate

Aozora Bunko

二

津田は思わず眉を寄せた。

「私のは結核性じゃないんですか」

「いえ、結核性じゃありません」

津田は相手の言葉にどれほどの真実さがあるかを確かめようとして、ちょっと眼を医者の上に据えた。医者は動かなかった。

「どうしてそれが分るんですか。ただの診察で分るんですか」

「ええ。診察た様子で分ります」

その時看護婦が津田の後に廻った患者の名前を室の出口に立って呼んだ。待ち構えていたその患者はすぐ津田の背後に現われた。津田は早く退却しなければならなくなった。

「じゃいつその根本的手術をやっていただけるでしょう」

「いつでも。あなたの御都合の好い時でようござんす」

津田は自分の都合を善く考えてから日取をきめる事にして室外に出た。

二

電車に乗った時の彼の気分は沈んでいた。身動きのならないほど客の込み合う中で、彼は釣革にぶら下りながらただ自分の事ばかり考えた。去年の疼痛がありありと記憶の舞台に上った。白いベッドの上に横えられた無残な自分の姿が明かに見えた。鎖を切って逃げる事ができない時に犬の出すような自分の唸り声が判然聴えた。それから冷たい刃物の光と、それが互に触れ合う音と、最後に突然両方の肺臓から一度に空気を搾り出すような恐ろしい力の圧迫と、圧された空気が圧されながらに収縮する事ができないために起るとしか思われない劇しい苦痛と