Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Leggi 明暗 (めいあん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 322.590 caratteri · 645 schermate

Aozora Bunko

七十二

「ええ、だからあたし幸福よ」

「幸福でも気楽じゃないの」

「気楽な事も気楽よ」

「じゃ気楽は気楽だけれども、心配があるの」

「そう継子さんのように押しつめて来ちゃ敵わないわね」

「押しつめる気じゃないけれども、解らないから、ついそうなるのよ」

七十二

だんだん勾配の急になって来た会話は、いつの間にか継子の結婚問題に滑り込んで行った。なるべくそれを避けたかったお延には、今までの行きがかり上、またそれを避ける事のできない義理があった。経験に乏しい処女の期待するような予言はともかくも、男女関係に一日の長ある年上の女として、相当の注意を与えてやりたい親切もないではなかった。彼女は差し障りのない際どい筋の上を婉曲に渡って歩いた。

「そりゃ駄目よ。津田の時は自分の事だから、自分によく解ったんだけれども、他の事になるとまるで勝手が違って、ちっとも解らなくなるのよ」

「そんなに遠慮しないだってよかないの」

「遠慮じゃないのよ」

「じゃ冷淡なの」

お延は答える前にしばらく間をおいた。

「継子さん、あなた知ってて。女の眼は自分に一番縁故の近いものに出会った時、始めてよく働らく事ができるのだという事を。