Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

めいあん

明暗

夏目 漱石

Leggi 明暗 (めいあん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 322.590 caratteri · 645 schermate

Aozora Bunko

百六十六

「それでたくさんなんだ、僕の方は。同情心が起るというのはつまり金がやりたいという意味なんだから。それでいて実際は金がやりたくないんだから、そこに良心の闘いから来る不安が起るんだ。僕の目的はそれでもう充分達せられているんだ」

こう云った小林は、手紙を隠袋へしまい込むと同時に、同じ場所から先刻の紙幣を三枚とも出して、それを食卓の上へ並べた。

「さあ取りたまえ。要るだけ取りたまえ」

彼はこう云って原の方を見た。

百六十六

小林の所作は津田にとって全くの意外であった。突然毒気を抜かれたところに十分以上の皮肉を味わわせられた彼の心は、相手に向って躍った。憎悪の電流とでも云わなければ形容のできないものが、とっさの間に彼の身体を通過した。

同時に聡明な彼の頭に一種の疑が閃めいた。

「此奴ら二人は共謀になって先刻からおれを馬鹿にしているんじゃないかしら」

こう思うのと、大通りの角で立談をしていた二人の姿と、ここへ来てからの小林の挙動と、途中から入って来た原の様子と、その後三人の間に起った談話の遣取とが、どれが原因ともどれが結果とも分らないような迅速の度合で、津田の頭の中を仕懸花火のようにくるくると廻転した。