Classici giapponesi con furigana
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めいあん
明暗
Leggi 明暗 (めいあん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 322.590 caratteri · 645 schermate
百三十二
あたしあの方は好よ」
津田は苦笑した。
「そりゃお宅なんぞへ上って、むやみに地金を出すほどの馬鹿でもないでしょうがね」
「いえ正直よ、秀子さんの方が」
誰よりお秀が正直なのか、夫人は説明しなかった。
百三十二
津田の好奇心は動いた。想像もほぼついた。けれどもそこへ折れ曲って行く事は彼の主意に背いた。彼はただ夫人対お秀の関係を掘り返せばよかった。病気見舞を兼た夫人の用向も、無論それについての懇談にきまっていた。けれども彼女にはまた彼女に特有な趣があった。時間に制限のない彼女は、頼まれるまでもなく、機会さえあれば、他の内輪に首を突ッ込んで、なにかと眼下、ことに自分の気に入った眼下の世話を焼きたがる代りに、到るところでまた道楽本位の本性を露わして平気であった。或時の彼女はむやみに急いて事を纏めようとあせった。そうかと思うと、ある時の彼女は、また正反対であった。わざわざべんべんと引ッ張るところに、さも興味でもあるらしい様子を見せてすましていた。鼠を弄そぶ猫のようなこの時の彼女の態度が、たとい傍から見てどうあろうとも、自分では、閑散な時間に曲折した波瀾を与えるために必要な優者の特権だと解釈しているらしかった。