Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Leggi 明暗 (めいあん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 322.590 caratteri · 645 schermate

Aozora Bunko

二十六

「お世辞じゃありません、本当の事です」

叔母は別に取り合う様子もなかった。その時裏で真事の打つ空気銃の音がぽんぽんしたので叔母はすぐ聴耳を立てた。

「お金さん、ちょっと見て来て下さい。バラ丸を入れて打つと危険いから」

叔母は余計なものを買ってくれたと云わんばかりの顔をした。

「大丈夫ですよ。よく云い聞かしてあるんだから」

「いえいけません。きっとあれで面白半分にお隣りの鶏を打つに違ないから。構わないから丸だけ取り上げて来て下さい」

お金さんはそれを好い機に茶の間から姿をかくした。叔母は黙って火鉢に挿し込んだ鏝をまた取り上げた。皺だらけな薄い絹が、彼女の膝の上で、綺麗に平たく延びて行くのを何気なく眺めていた津田の耳に、客間の話し声が途切れ途切れに聞こえて来た。

「時に誰です、お客は」

叔母は驚ろいたようにまた顔を上げた。

「今まで気がつかなかったの。妙ねあなたの耳もずいぶん。ここで聞いてたってよく解るじゃありませんか」

二十六

津田は客間にいる声の主を、坐ったまま突き留めようと力めて見た。やがて彼は軽く膝を拍った。

「ああ解った。小林でしょう」

「ええ」

叔母は嫣然ともせずに、簡単な答を落ちついて与えた。