Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
めいあん
明暗
Leggi 明暗 (めいあん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 322.590 caratteri · 645 schermate
今頃になって夫の病気の見舞をいってくれる夫人の心の中には、やむをえない社交上の辞令以外に、まだ何か存在しているのではなかろうかと考えた。
「ありがとうございます。お蔭さまで」
「もう手術をなすったの」
「ええ今日」
「今日? それであなたよくこんな所へ来られましたね」
「大した病気でもございませんものですから」
「でも寝ていらっしゃるんでしょう」
「寝てはおります」
夫人はそれで構わないのかという様子をした。少なくとも彼女の黙っている様子がお延にはそう見えた。他に対して男らしく無遠慮にふるまっている夫人が、自分にだけは、まるで別な人間として出てくるのではないかと思われた。
「病院へ御入りになって」
「病院と申すほどの所ではございませんが、ちょうどお医者様の二階が空いておるので、五六日そこへおいていただく事にしております」
夫人は医者の名前と住所とを訊いた。見舞に行くつもりだとも何とも云わなかったけれども、実はそのために、わざわざ津田の話を持ち出したのじゃなかろうかという気のしたお延は、始めて夫人の意味が多少自分に呑み込めたような心持もした。
夫人と違って最初から津田の事をあまり念頭においていなかったらしい吉川は、この時始めて口を出した。