Classici giapponesi con furigana
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めいあん
明暗
Leggi 明暗 (めいあん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 322.590 caratteri · 645 schermate
お延はそれをよく承知していた。けれども叔母の小言をもっともと思えば思うほど、彼女はなお泣きたくなった。彼女の唇が顫えた。抑えきれない涙が後から後からと出た。それにつれて、今まで堰きとめていた口の関も破れた。彼女はついに泣きながら声を出した。
「何もそんなにまでして、あたしを苛めなくったって……」
叔父は当惑そうな顔をした。
「苛めやしないよ。賞めてるんだ。そらお前が由雄さんの所へ行く前に、あの人を評した言葉があるだろう。あれを皆な蔭で感心しているんだ。だから……」
「そんな事承わなくっても、もうたくさんです。つまりあたしが芝居へ行ったのが悪いんだから。……」
沈黙がすこし続いた。
「何だかとんだ事になっちまったんだね。叔父さんの調戯い方が悪かったのかい」
「いいえ。皆んなあたしが悪いんでしょう」
「そう皮肉を云っちゃいけない。どこが悪いか解らないから訊くんだ」
「だから皆なあたしが悪いんだって云ってるじゃありませんか」
「だが訳を云わないからさ」
「訳なんかないんです」
「訳がなくって、ただ悲しいのかい」
お延はなお泣き出した。叔母は苦々しい顔をした。
「何だねこの人は。