Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Leggi 明暗 (めいあん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 322.590 caratteri · 645 schermate

Aozora Bunko

「雑巾なんか要りゃしない。こうしておけば、それでたくさんよ。水はもう引いちまったんだから」

彼女は転がった花瓶を元の位置に直して、摧けかかった花を鄭寧にその中へ挿し込んだ。そうして今までの頓興をまるで忘れた人のように澄まし返った。それがまたたまらなくおかしいと見えて、継子はいつまでも一人で笑っていた。

発作が静まった時、継子は帯の間に隠した帙入の神籤を取り出して、傍にある本箱の抽斗へしまい易えた。しかもその上からぴちんと錠を下して、わざとお延の方を見た。

けれども継子にとっていつまでも続く事のできるらしいこの無意味な遊技的感興は、そう長くお延を支配する訳に行かなかった。ひとしきり我を忘れた彼女は、従妹より早く醒めてしまった。

「継子さんはいつでも気楽で好いわね」

彼女はこう云って継子を見返した。当り障りのない彼女の言葉はとても継子に通じなかった。

「じゃ延子さんは気楽でないの」

自分だって気楽な癖にと云わんばかりの語気のうちには、誰からでも、世間見ずの御嬢さん扱いにされる兼ての不平も交っていた。

「あなたとあたしといったいどこが違うんでしょう」

二人は年齢が違った。