Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Leggi 明暗 (めいあん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 322.590 caratteri · 645 schermate

Aozora Bunko

彼女は拾い読にぽつぽつ読み下した。ブック・オフ・ジョークス。イングリッシ・ウィット・エンド・ヒュモア。……

「へええ」

「みんな滑稽なもんだ。洒落だとか、謎だとかね。寝ていて読むにはちょうど手頃で好いよ、肩が凝らなくってね」

「なるほど叔父さん向のものね」

「叔父さん向でもこのくらいな程度なら差支えあるまい。いくら由雄さんが厳格だって、まさか怒りゃしまい」

「怒るなんて、……」

「まあいいや、これも陰陽和合のためだ。試しに持ってッてみるさ」

お延が礼を云って書物を膝の上に置くと、叔父はまた片々の手に持った小さい紙片を彼女の前に出した。

「これは先刻お前を泣かした賠償金だ。約束だからついでに持っておいで」

お延は叔父の手から紙片を受取らない先に、その何であるかを知った。叔父はことさらにそれをふり廻した。

「お延、これは陰陽不和になった時、一番よく利く薬だよ。たいていの場合には一服呑むとすぐ平癒する妙薬だ」

お延は立っている叔父を見上げながら、弱い調子で抵抗した。

「陰陽不和じゃないのよ。あたし達のは本当の和合なのよ」

「和合ならなお結構だ。和合の時に呑めば、精神がますます健全になる。