Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Leggi 明暗 (めいあん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 322.590 caratteri · 645 schermate

Aozora Bunko

そうして彼が口を利いた時には、お延でさえその意外なのに驚ろかされた。彼は彼に支配できる最も冷静な調子で、彼女の予期とはまるで反対の事を云った。

「お秀お前の云う通りだ。兄さんは今改めて自白する。兄さんにはお前の持って来た金が絶対に入用だ。兄さんはまた改めて公言する。お前は妹らしい情愛の深い女だ。兄さんはお前の親切を感謝する。だからどうぞその金をこの枕元へ置いて行ってくれ」

お秀の手先が怒りで顫えた。両方の頬に血が差した。その血は心のどこからか一度に顔の方へ向けて動いて来るように見えた。色が白いのでそれが一層鮮やかであった。しかし彼女の言葉遣いだけはそれほど変らなかった。怒りの中に微笑さえ見せた彼女は、不意に兄を捨てて、輝やいた眼をお延の上に注いだ。

「嫂さんどうしましょう。せっかく兄さんがああおっしゃるものですから、置いて行って上げましょうか」

「そうね、そりゃ秀子さんの御随意でよござんすわ」

「そう。でも兄さんは絶対に必要だとおっしゃるのね」

「ええ良人には絶対に必要かも知れませんわ。だけどあたしには必要でも何でもないのよ」

「じゃ兄さんと嫂さんとはまるで別ッこなのね」