Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Leggi 明暗 (めいあん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 322.590 caratteri · 645 schermate

Aozora Bunko

「ええ来やしません」

「招待状は出したの」

「招待状だけは出しました」

「じゃそれっきりなのね、両方共」

「無論それっきりです。もしそれっきりでなかったら問題ですもの」

「そうね。しかし問題にも寄り切りでしょう」

津田には夫人の云う意味がよく解らなかった。夫人はそれを説明する前にまたほかの道へ移った。

「いったい延子さんは清子さんの事を知ってるの」

津田は塞えた。小林を研究し尽した上でなければ確とした返事は与えられなかった。夫人は再び訊き直した。

「あなたが自分で話した事はなくって」

「ありゃしません」

「じゃ延子さんはまるで知らずにいるのね、あの事を」

「ええ、少くとも私からは何にも聴かされちゃいません」

「そう。じゃ全く無邪気なのね。それとも少しは癇づいているところがあるの」

「そうですね」

津田は考えざるを得なかった。考えても断案は控えざるを得なかった。

百三十八

話しているうちに、津田はまた思いがけない相手の心理に突き当った。今まで清子の事をお延に知らせないでおく方が、自分の都合でもあり、また夫人の意志でもあるとばかり解釈して疑わなかった彼は、この時始めて気がついた。