Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Leggi 明暗 (めいあん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 322.590 caratteri · 645 schermate

Aozora Bunko

「だって世の中に完全なもののない以上、それもやむをえないじゃないか」

「という理由をつけて、もっと上等なのを探し廻る気だろう」

「人聞の悪い事を云うな、失敬な。君は実際自分でいう通りの無頼漢だね。観察の下卑て皮肉なところから云っても、言動の無遠慮で、粗野なところから云っても」

「そうしてそれが君の軽蔑に値する所以なんだ」

「もちろんさ」

「そらね。そう来るから畢竟口先じゃ駄目なんだ。やッぱり実戦でなくっちゃ君は悟れないよ。僕が予言するから見ていろ。今に戦いが始まるから。その時ようやく僕の敵でないという意味が分るから」

「構わない、擦れっ枯らしに負けるのは僕の名誉だから」

「強情だな。僕と戦うんじゃないぜ」

「じゃ誰と戦うんだ」

「君は今すでに腹の中で戦いつつあるんだ。それがもう少しすると実際の行為になって外へ出るだけなんだ。余裕が君を煽動して無役の負戦をさせるんだ」

津田はいきなり懐中から紙入を取り出して、お延と相談の上、餞別の用意に持って来た金を小林の前へ突きつけた。

「今渡しておくから受取っておけ。君と話していると、だんだんこの約束を履行するのが厭になるだけだから」