Classici giapponesi con furigana
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めいあん
明暗
Leggi 明暗 (めいあん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 322.590 caratteri · 645 schermate
津田はこれだけ云って暗に相手の様子を窺った。しかし小林が下を向いているので、彼はまるでその心持の転化作用を忖度する事ができなかった。
「何も好んで友達の夫婦仲を割くような悪戯をしなくってもいい訳じゃないか」
「僕は君に関して何も云った覚はないよ」
「しかし先刻……」
「先刻は笑談さ。君が冷嘲すから僕も冷嘲したんだ」
「どっちが冷嘲し出したんだか知らないが、そりゃどうでもいいよ。ただ本当のところを僕に云ってくれたって好さそうなものだがね」
「だから云ってるよ。何にも君に関して云った覚はないと何遍も繰り返して云ってるよ。細君を訊き糺して見れば解る事じゃないか」
「お延は……」
「何と云ったい」
「何とも云わないから困るんだ。云わないで腹の中で思っていられちゃ、弁解もできず説明もできず、困るのは僕だけだからね」
「僕は何にも云わないよ。ただ君がこれから夫らしくするかしないかが問題なんだ」
「僕は――」
津田がこう云いかけた時、近寄る足音と共に新らしく入って来た人が、彼らの食卓の傍に立った。
百六十二
それが先刻大通りの角で、小林と立談をしていた長髪の青年であるという事に気のついた時、津田はさらに驚ろかされた。