Classici giapponesi con furigana
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めいあん
明暗
Leggi 明暗 (めいあん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 322.590 caratteri · 645 schermate
「ことによると、お午ぐらいから晴れるかも知れないわね」
お延は既定の計画を遂行する方に賛成するらしい言葉つきを見せた。
「だって一日後れると一日徒為になるだけですもの。早く行って早く帰って来ていただく方がいいわ」
「おれもそのつもりだ」
冷たい雨によって乱されなかった夫婦間の取極は、出立間際になって、始めて少しの行違を生じた。箪笥の抽斗から自分の衣裳を取り出したお延は、それを夫の洋服と並べて渋紙の上へ置いた。津田は気がついた。
「お前は行かないでもいいよ」
「なぜ」
「なぜって訳もないが、この雨の降るのに御苦労千万じゃないか」
「ちっとも」
お延の言葉があまりに無邪気だったので、津田は思わず失笑した。
「来て貰うのが迷惑だから断るんじゃないよ。気の毒だからだよ。たかが一日とかからない所へ行くのに、わざわざ送って貰うなんて、少し滑稽だからね。小林が朝鮮へ立つんでさえ、おれは送って行かないって、昨夜断っちまったくらいだ」
「そう、でもあたし宅にいたって、何にもする事がないんですもの」
「遊んでおいでよ。構わないから」
お延がとうとう苦笑して、争う事をやめたので、津田は一人俥を駆って宅を出る事ができた。