Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Leggi 明暗 (めいあん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 322.590 caratteri · 645 schermate

Aozora Bunko

性質から云えばむしろ人中を択ぶべきはずの彼には都合があった。彼は膳の向うに坐っている下女に訊いた。

「昼間もこの通りかい」

「へえ」

「何だかお客はどこにもいないようじゃないか」

下女は新館とか別館とか本館とかいう名前を挙げて、津田の不審を説明した。

「そんなに広いのか。案内を知らないものは迷児にでもなりそうだね」

彼は清子のいる見当を確かめなければならなかった。けれども手代に露骨な質問がかけられなかった通り、下女にも卒直な尋ね方はできなかった。

「一人で来る人は少ないだろうね、こんな所へ」

「そうでもございません」

「だが男だろう、そりゃ。まさか女一人で逗留しているなんてえのはなかろう」

「一人いらっしゃいます、今」

「へえ、病気じゃないか。そんな人は」

「そうかも知れません」

「何という人だい」

受持が違うので下女は名前を知らなかった。

「若い人かね」

「ええ、若いお美くしい方です」

「そうか、ちょっと見せて貰いたいな」

「お湯にいらっしゃる時、この室の横をお通りになりますから、御覧になりたければ、いつでも――」

「拝見できるのか、そいつはありがたい」

津田は女のいる方角だけ教わって、膳を下げさせた。