Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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めいあん

明暗

夏目 漱石

Leggi 明暗 (めいあん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 322.590 caratteri · 645 schermate

Aozora Bunko

「真事、そんなにキッドが買いたければね、今度宅へ来た時、小母さんに買ってお貰い。小父さんは貧乏だからもっと安いもので今日は負けといてくれ」

彼は賺すようにまた宥めるように真事の手を引いて広い往来をぶらぶら歩いた。終点に近いその通りは、電車へ乗り降りの必要上、無数の人の穿物で絶えず踏み堅められる結果として、四五年この方町並が生れ変ったように立派に整のって来た。ところどころのショーウィンドーには、一概に場末ものとして馬鹿にできないような品が綺麗に飾り立てられていた。真事はその間を向う側へ馳け抜けて、朝鮮人の飴屋の前へ立つかと思うと、また此方側へ戻って来て、金魚屋の軒の下に佇立んだ。彼の馳け出す時には、隠袋の中でビー玉の音が、きっとじゃらじゃらした。

「今日学校でこんなに勝っちゃった」

彼は隠袋の中へ手をぐっと挿し込んで掌いっぱいにそのビー玉を載せて見せた。水色だの紫色だのの丸い硝子玉が迸ばしるように往来の真中へ転がり出した時、彼は周章ててそれを追いかけた。そうして後を振り向きながら津田に云った。

「小父さんも拾ってさ」

最後にこの目まぐるしい叔父の子のために一軒の玩具屋へ引き摺り込まれた津田は、とうとうそこで一円五十銭の空気銃を買ってやらなければならない事になった。