후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 264,133자 · 524화면
「なんにしても深い靄でござるな、鼻を摘まれても知れぬと言うけれど、これは鉢合せをするまでそれとは気がつかぬ、始末に悪い晩でござるわい。それはそうとこのお屋敷は、これは御支配の駒井能登守殿のお屋敷ではござらぬか」
「いかさま、これは能登守殿のお屋敷じゃ。実は我々共、たった今ここまで怪しいものを追い込んで参ったのでござるが、この辺でその跡が消えたのでござる」
「それはそれは。実は我々共も、お花畑の外よりどうやら怪しげな人の足音を追いかけて、ここまで来てみるとその足音が消え申した」
塀の外におけるこれらの問答が、いま、屋根の上の物音だけで耳を澄ましていた能登守の耳へ歴々と聞えました。屋根の上のは何者とも知れないが、この塀の外のはまさしく捕方の人数であります。捕方の人数というのは、今宵破牢のあったそれがために、まだまだこの辺を固めている役人の手配が、少しも弛まないことが知れるのであります。
「次第によったら、この能登守殿のお屋敷の中へ忍び込んだかも知れぬ、御門番を起して案内を願うてみようか」
「この夜中、お騒がせ申しては相済まぬ、もう暁方も間近いほどに、このあたりを蟻も這い出ぬように固めて待とうではないか、暁方にならば風が出るでござろう、風が出たならば自然に靄も吹き払われるでござろうから」