후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 264,133자 · 524화면
二
二
お銀様がこの夜中に家を脱け出したのは、あまりと言えば無謀です。けれどもそれが無謀だか有謀だかわかるくらいならば、家を脱け出すようなことはしますまい。ともかくも、こうしてお銀様は無事に屋敷を脱け出し、有野村を離れて甲府をさして闇の中をヒタ歩きに歩きました。その途中、無事であったことは幸いです。
しかし、それを離れて後ろから跟いて行く神尾主膳の姿などを想像にも思い浮べることのなかったのは、幸いとは言えません。
ようやく甲府の町へ入ろうとする時分に辻番がありました。荒川を渡って元の陣屋跡のところに、このごろ臨時に辻番が設けられました。
「これこれ、どこへ行かっしゃる」
辻番の中で六尺棒を持った屈強な足軽が、通りかかるお銀様を呼び留めました。
「はい」
と言ってお銀様はたちどまりました。
「待たっしゃい」
辻番は、お銀様の頭巾の上から足の爪先まで見据えていましたが、
「見れば女子の一人道、どちらからおいででござる」
「有野村から参りました」
「有野村は何の何某という者でござる」
「はい……藤原の伊太夫の家から……召使の君と申しまする」
「有野村の藤原家の召使? それが一人でこの夜分」