후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 264,133자 · 524화면
兵馬は、紙と矢立を取り出してサラサラと一筆認め、それを紐でムク犬の首に結いつけました。
ムクは確かに神尾の屋敷の中へ入って行ったけれども、容易にその返事を齎しませんでした。兵馬は長くそこに立っていることがけねんに堪えられない。人目に触れないように、行きつ戻りつしていたけれど、ムクは容易に戻って来ませんのです。兵馬はここに人を待つ身となりました。
待つ身になってみると、来る人が一層恋しくなるものか知ら。兵馬は早くお松に会いたい会いたいという心が、今までになかったほど胸に響きます。
お松から愛せらるることの多かった兵馬。今はお松を慕う心が、我ながら怪しいほどに切になってゆくようです。
お松の身になってみると、この頃は立場に迷う姿であります。立場に迷うというだけならば迷ったなりで、ともかく、その日を過ごして行けるけれども、居ても立ってもいられないようなことばかり、その周囲に降って湧きました。
第一は兵馬に去られたことであります。駒井家を立退くということは早晩そうあらねばならぬことだけれども、あまりに急なことでありました。ことにその行先の知れないということが、お松にとっては、どのくらい残念であり心細くあるか知れません。