후리가나로 읽는 일본 고전
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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
久保田 万太郎의 浅草風土記(あさくさふどき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 162,294자 · 318화면
というのは、ぼくの記憶に残っているその露地は、入ると、すぐ、右ッ側に、古い大きな車井戸があり、左ッ側に、おもてに粗い格子戸を入れた左官の親方の家があったのである。その隣には“喜久本”という、ごくの堅気な、艶めいた感じのちッともない待合があった。その反対の側には、“和倉温泉”という名の湯屋があり、隣に、煙草屋を兼ねた貸本屋があった。そこの主人の、加藤清正のようなアゴひげを生やしていたことが、いま思うと、何かただならぬことだったような気がする。……子供ごころに、そのころは、べつに何んとも思わなかったが……
その貸本屋の出はずれで、一段、道が低くなった。
あとは、両側とも、屋根の低い、古ぼけた、カサカサに乾いた長屋つづきの、縫箔屋だの、仕立屋だの、床屋だの、道具屋だの、駄菓子屋だの、炭屋だの、米屋だの、あんまり口数をきかない、世帯じみた人たちばかりが、何んのたのしみもなさそうに住んでいた。
そしてはなれて、左ッ側に、そうした家々とは関係なく、小さな溝を境にして、ポツンとまた、一けん、名まえは忘れたが、“喜久本”よりもずッと安手な感じの待合が、陰気な表情を示していた。