후리가나로 읽는 일본 고전
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
林 不忘의 丹下左膳(たんげさぜん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 241,861자 · 480화면
二
門之丞も、呼吸がせまって、無言です。
だまって、萩乃を見上げた。萩乃は立ったまま、眼をまんまるにして、壺の箱を見おろしている。
一瞬二瞬、空気は固化して、ふたりとも石像になったよう――身うごきもしません。イヤ、できません。巨大な財産をのむ名壺の魅縛……これをこそ、呪縛というのでしょうか。
このふるびた包み布をほどけば、年月によごれた桐の木箱。そこまでは、外からも見える。今その、十文字にかけた真田をといて、サッと箱のふたをとったとしましょうか。中にはもう一枚、金襴の古ぎれで壺が包んであるに相違ない。その色褪せたきんらんを除くと、すがりといって、紅い絹紐であんだ網をスッポリと壺にかぶせてあることだろう。
さア、そこで、そのすがりを取るとします。そうすると、ここにはじめて、朝鮮渡りの問題の名品、耳こけ猿の茶壺が、完全に裸身をもって眼前に浮かびでるでしょう。薬の流れぐあいから、その焼きといい、においといい、まことに天下をさわがす大名物、きっと頭のさがるような品格の高い、美しい味のものにきまっている。で、その壺のふたをとると、なかに、莫大な柳生家財産の埋蔵個所をしめした一片の地図が、幾百年の秘密を宿し、この大騒動を知らぬ顔に、ヒラリと横たわっているのだ……。