후리가나로 읽는 일본 고전
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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
正岡 容의 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集(よせ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 147,226자 · 295화면
「ア、先生」
とたんに声上げて今松は近づいていった。
「オオ、今松さんか。ここは奇遇」
大磯以来の神田伯水老人だった。
「どうしたお前、傘もささんで」
いぶかしそうに老人は、雪だらけの今松の姿を見廻した。
「ひどいオケラで上げも下げもならねえんですよ、先生」
正直なことを言ってしまった。オケラとは芸人仲間で、銭のないときのことの意味だった。
「ちょうどいい」
貧相な顔を輝かして老人は、
「私しゃこれから上方へ行く途だ。飲みたい飲みたいといつぞやから唄に歌っていた灘の生一本を、賞美に参るほどよい身分ではまさかないが、ふた月ばかり京大阪の寄席へ売れた。講釈場ではない落語の寄席へじゃ。となるとこの老骨瘠せても枯れても書生の一人くらいは連れて行かねば神田一門の恥じゃと思って東京中の講釈場をずいぶん探し歩いたが、正月を控えて誰も参らん、マ、これはもっともな話じゃがね――」
自分で自分へ苦笑いして、
「しかたないからこの横浜まで足延ばしてその日吉亭まで書生探しに参ったのじゃが、やっぱりおらん。拠所なくもうあきらめて、貧相でもただ一人で大阪入城とあきらめて参ったところじゃ。