후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 264,133자 · 524화면
庭の方へ向った障子を押し開きました。それと共にこの時までまだ戸を締めておかなかった不用心を、お君は気がついて悔ゆるような心になりました。
邸の外は庭の中までもいっぱいに例の闇と靄とで、その中にいる真黒な犬の形は、とてもこちらからは見ることができませんけれども、その鼻息で充分にわかります。
「帰って来たらいいから、もうお寝、これからこんな晩には外出をしてはなりませんよ」
お君はムク犬に寝よとの許しを与えました。それはいつもムク犬がするように、今夜は少し晩くなったけれども、やはりその例で挨拶に来たものとばかり思ったからであります。
けれどもまたムク犬は、今夜に限ってその許しを柔順に受けないで、縁先へ首をつきだして物を訴えるような素振であります。
「どうしたの」
ムク犬はその巨大な面と優しい目で、お君の面を見上げたのは、自分はよんどころない用事が出来て外出致しました、こんなことは滅多にありませんから、今晩のところはどうぞ悪しからず御免下さいまし、と申しわけをするように見えました。そうしておいて自分の首をグルリと半分ばかり外の方へ廻して、また主人の面を見上げました。