후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 264,133자 · 524화면
「あっ」
と言って立ち止まりました。
そうして猿のような眼を円くして、しきりに御門の橋のあたりを見つめていました。
「あっ、ありゃ」
と言って吃りました。吃った時分には、いま米友が見かけた人影は、御米蔵の蔭へ隠れてしまいました。その人影の隠れた御米蔵をめざして、米友は一目散に駆けて行きました。
その挙動は、かなり粗忽っかしいものであります。ついには油壺が邪魔になるので、その油壺を振り落して堀際を駆けました。米友の身にとっては油壺も大切ですけれどもその油壺を抛り出してさえ、なお追い求めようとするものがあったと見なければならぬ。ほかでもない、米友は今ここで計らずもお君の姿を認めたからであります。
米友がその不自由な足を引きずってわざわざ甲州まで来たのは、一にお君を求めんがためでありました。米友にとってお君は唯一の幼な馴染であり、お君にとっても米友は唯一の幼な馴染でありました。米友は、今しばらく旅費に窮したから八幡宮に雇われましたけれど、いくらか給金が貯ればそれを持って、お君を探しに行くつもりなのであります。
それだから、いま認めたそれがお君であったとすれば、もう油壺などは問題にならないはずであります。