후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 264,133자 · 524화면
お銀様がこう言ってその両眼から留度もなく涙を落した時に、お君は何と言ってよいか解らない心持になりました。
いつもならば何でもないことでしたろうけれど、その時はそれで、二人のなかが割かれてしまいました。お君が、もうお嬢様のお傍にいないと言ったのは一時の激した言い分のようであったが、実は本心からその気で言ったのであります。
お銀様が、自分もお嫁に行くところがあると言ったのは、どういうつもりだかお君にはわかりませんでした。
しかし、その場は気まずくなって、今までになかった張合いの心持がおたがいに募ったけれど、すぐにあとでお君が謝罪りました。お銀様もうちとけました。
謝罪ったあとで、お君は改めてお銀様にお暇乞いを申し出でました。お銀様は冷やかに、それでも快くお君の暇乞いを承知しました。それにお銀様はお君に対して、身の廻りのものやらお金などを多分に分けてやりました。お君はそれを有難く思って、なんとなくこのお嬢様の傍を離れたくない心持もしましたけれど、自分の行く先のことを考えれば、その心持も忽ち消えてしまうのであります。
お君がこのお嬢様の許を辞して行こうとする先は問うまでもなく、それは駒井能登守のお邸であります。