후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 264,133자 · 524화면
「なるほど」
それらの見物の眼は、一斉にこの桟敷へ向います。
そう言われて見れば、それに違いないと思うもののみであります。奥方とはいうけれども、そこに処女のような可憐なところが残っていました。その可憐な中には迷わしいような濃艶な色香が萌え立っていました。人に遠慮して、わざと横を向いている面には初々しい恥かしさがありました。一糸も乱れずに結い上げた片はずしの髷には、人の心に食い入るような油がありました。
これは大入場の観客の問題となったのみならず、士分の者や、町民の由緒と富裕とを持った者の桟敷に至るまでも、やはり注目の標的となりました。
太田筑前守は、席を占めていたけれど、駒井能登守はまだ見えません。
神尾主膳は、それよりも先に例の一味の者を語らって、例の桟敷に詰めていましたが、やはり評判につれて、向い合ったこの桟敷に現われた美しい女房の姿を、目につけないわけにはゆきませんでした。
「なるほど」
主膳の左右にいる者の小声で噂するところによれば、あれこそ、新支配の駒井能登守が、このごろ新たに手に入れた寵者ということであります。
「そうか」
神尾主膳は遠くから、皮肉のような好奇のような眼をかがやかして、その美しい女房の現われた桟敷に篤と目を注ぎました。