후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 264,133자 · 524화면
今日、宝物の風入れに、お松はそれとなくこの絵図を心がけていました。塵を掃っている数多の書物や掛物のなかにはそれがあるだろうと思っていましたが、幸いにそれを見つけました。
仕事が済んでから、お松はその絵図を持って自分の部屋へ帰りました。部屋へ帰ってそれを拡げて、つくづくとながめていました。
お松のながめている絵図には、甲府城を真中にして、その廓の内外の武家屋敷や陣屋、役宅などが細かに引いてありました。
お松の眼はお城の濠に沿うて東の方の一角をじっと見ていました。ほかのところはさしおいて、その一角ばかりを見つめていました。お松の見つめている一角というのは、お濠を隔ててお城と、お代官の陣屋との間に挟まれたところで、そこには罪人を囚える牢屋があるのであります。聞いてもいやな感じのする牢屋、お松はそれを見たいばかりに、わざわざこの絵図をそっと持ち帰ったのであります。牢屋を見たがるお松は、牢屋の中に見たいと思う人があるからであります。
その人のために、お松はどのくらい心を痛めているか知れません。お絹を通したり、自分で遠廻しに頼んだりして神尾に縋りました。ここへ来る道中では駒井能登守にさえも訴えてみました。