후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 264,133자 · 524화면
あまりの懐かしさに兵馬は、あと追蒐けて名乗りかけようかと思いました。
けれども、今の兵馬の身ではそれも遠慮をしなければなりません。ぜひなく兵馬はいろいろの空想に駆られながら、その駕籠の後ろを追うて同じ方向へと進んで行きました。
駕籠も提灯も相変らず物を言いません。何か話でも起ったならば、その駕籠の中なる人が、おおよそ見当がつくのであろうにと思いました。
こうして暫らく山路を進んで行くうちに、
「その駕籠、待たっしゃい」
という声で、山路の静寂が破られました。「待たっしゃい」という声は、少なくとも士分にゆかりのある者でなければ、掛けられない声でありましたから、さては向うから進んで来た侍の何者かによって、その駕籠の棒鼻が押えられたものだろうと兵馬は、またそこに止まってなりゆきを見ていました。
「八幡村の小泉家から、今日の流鏑馬を御見物の客人二人、ぜひにお泊め申そうとしたのを、どうあっても今夜中に帰らねばならぬ用向きがござるそうな、それ故に夜分を厭わずこうやってお送り申す、どうかこのままで失礼を」
「いやもう御遠慮なく。今日の騒ぎと言い、近頃はどうも世間が落着かない故に、我々も毎晩こうしてこの山路を宵のうち一度ずつお役目に廻るのでござる。