후리가나로 읽는 일본 고전
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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
内田 魯庵의 新編 思い出す人々(ふたばていよだん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 215,401자 · 427화면
緑雨は笑止しがって私に話したが、とうとう『おぼえ帳』の一節となった。
上田博士が帰朝してから大学は俄に純文学を振って『帝国文学』を発刊したり近松研究会を創めたりした。緑雨は竹馬の友の万年博士を初め若い文学士や学生などと頻りに交際していたが、江戸の通人を任ずる緑雨の眼からは田舎出の学士の何にも知らないのが馬鹿げて見えたのは無理もなかった。若い学士の方でも緑雨の社会通を相当に認めて、そういう方面の解らない事があるとしばしば緑雨の許に訊きに来たもんだ。万年博士が『天網島』を持って来て、「さんじやうばつからうんころとつころ」とは何の事だと質問した時は、有繋の緑雨も閉口して兜を抜いで降参した。その頃の若い学士たちの馬鹿々々しい質問や楽屋落や内緒咄の剔抉きが後の『おぼえ帳』や『控え帳』の材料となったのだ。
何でもその時分だった。『帝国文学』を課題とした川柳をイクツも陳べた端書を続いて三枚も四枚もよこした事があった。端書だからツイ失くしてしまって今では一枚しか残っていないが、「上田の附文標準語に当惑し」、「先生の原稿だぞと委員云ひ」というようなのがあった。前者は万年博士が標準語に関する大論文を発表した際で、標準語という言葉がその頃の我々の仲間の流行語となっていた。