후리가나로 읽는 일본 고전
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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
正岡 容의 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集(よせ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 147,226자 · 295화면
自分で自分に感心しながら今松は、この間の晩の大雪がまだ消え残っている、枯れ松葉をいっぱい敷きつめた小意気な庭先の手水鉢へ、ふッと目をやった。ベットリ青苔の生えている手水鉢の水の真ん中へ、一月の午後のおてんとさまが薄白い顔を小さく浮かせ、どこかの猫が背伸びするように後脚だけで立って、音立ててその水を飲んでいる。
…………飴屋の唐人笛が聞こえる。
下谷も入谷田圃に近い、もとなんとかいう吉原の大籬の寮の跡だという、冷たくだだッ広いこの家は、明治三十八年の東京市中とは思われないほど、ものしずかだった。ましてや日露の大戦争が、あの巨大国を向こうに廻して未曾有の大勝利を占めとおし、全日本をあげて万歳また万歳の連呼に夜も日も足らない今日この頃であろうとは。
「叱、叱……畜生」
退屈まぎれに今松は猫を追ってみた。水を飲むのをやめて真っ白な大猫はチロッとこっちを見るようにしたが、そのままふてくされたようにノソリノソリ枯松葉を踏んで、突き当たりの椎の木の下の石燈籠の陰へ姿を隠してしまった。薄白い雪の上へ、煤色に小さな足跡が残された。
それにしてもこの間の大雪の晩は――。