후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 264,133자 · 524화면
けれども、その噂はいよいよ密々に拡がるばかりで、ことに神尾家の折助などはこのことを、いちばん恰好な笑い草にして、おおっぴらで嘲弄していました。お松はそれを聞くと、どうしても本人に忠告をしなければならないことだと思いました。たとえ自分は悪まれ者になっても、このままで聞き捨てにはならないから、今晩は、お君様を尋ねてそのことを言ってしまおうと思って、出かけようとする時に、例のムク犬が庭先へ尋ねて来ました。
早くも眼にとまったのは、ムク犬の首に結いつけられた紙片であります。
お松は心得てその紙片を取って見ると、それに「静馬」と記してありました。
それだからお松はハッとしました。兵馬さんが訪ねて来ていると思うと、気がソワソワとして落着かなくなりました。これから駒井家を訪れようということなども忘れてしまいました。
急いでこのムク犬の導いて行くところへ行かなければならない。お松はソコソコに身仕度をして、履物を突っかけようとする時に、
「お松」
と言って奥の方から出て来たのは、お絹でありました。
「はい」
「お前はどこへ行きます」
「ちょっと、あのお長屋まで……」
お松は、悪いところへお師匠様が出て来てくれたと思わないわけにはゆきません。